紀元前1世紀の古代ローマ時代、「スパルタクスの反乱」という奴隷戦争の首謀者として知られるスパルタクスを描いた映画のサウンドトラック。
監督はスタンリー・キューブリック。

スパルタカスの反乱

歴史に残るスパルタクスの反乱は、奴隷軍の規模は20万人にものぼり、奴隷戦争の中でもローマ史上最大のものだったといわれている。

当時、反帝国勢力が抑圧されたところに成立したいわゆる「ローマの平和」は、被抑圧民にはとても深い絶望を与えるものであった。
しかしこの時、原始キリスト教の教えが奴隷や下層民に普及し、抑圧されていた人々に「自由と平等」を求める基盤が水面下で整いつつあった。
その結果、スパルタカスをリーダーとする大規模な反乱が起こる。
スパルタカスの反乱を含むこの時代の抗争は、原始的で自然発生的なものであり、民主主義の回復運動の一つの起点を成しているという解釈がある。(参考:土井 正興氏の「新版 スパルタクスの蜂起―古代ローマの奴隷戦争」など)

結末はご存じの通り、ローマの将軍クラックス、ポンペイウスらによって鎮圧されるわけだが、スパルタクスの死体というのは、切り刻まれて本人かどうか分からないほどだったとも、発見されなかったともされる。
その背景もあってか、Jazzなどの黒人音楽(周知の通り、黒人も過去に奴隷制度と闘った歴史を持っている。)にもよくカバーされている。

今回はその中でもオススメの3曲を紹介する。

Danny Long ‎– She’s Here At Last

Danny Long – Spartacus Love Theme

アメリカのシカゴ出身のダニー・ロングが、1971年にリリースしたアルバム。全体的に良質なポップスに仕上がっているが、原曲から滲み出る哀愁が絶妙なグルーヴを醸し出してる。
レコードは300$以上で取引されたこともあるレア盤。ジャケットの彼の愛娘の写真が微笑ましく、タイトルとリンクした愛情も感じる。

Yusef Lateef ‎– Eastern Sounds

Yusef Lateef – Love Theme From Spartacus

あまりの美しさ故、こころを打たれてしまう。
数あるJazzのカバーの中でも最高峰。

The Nat Birchall Quartet ‎– The Storyteller – A Musical Tribute To Yusef Lateef

The Nat Birchall Quartet – Tales of Saba [Audio] (1 of 11)

著名なイギリスのDJ、Gilles Petersonが認める実力派サックス・プレイヤーNat Birchallの2019年のアルバム。
彼なりの再解釈を踏まえたアレンジが加わっている。

 

結びに

完全に個人的な話だが、私が前の会社で上司のパワハラにあい、鬱だった時にひたすら聴いていた。
スパルタカスは最後に敗れてしまうが、その想いは今も多くの人の心を打つものとして愛されている。