Walter Marchetti(ウォルター・マルケッティ)は、1931〜2015年に活躍したイタリアの作曲家。

 

前衛音楽家かつキノコ研究者のJohn Cage(ジョン・ケージ)のダダイストの美学を取り入れ、インタラクティブで具体的な音楽を開拓した。(ジョン・ケージは前衛音楽では重要人物なので、また別の機会に改めて取り扱いたい。)

今回紹介する音源は、擬似ジャングルと言える奇妙なミュージック・コンクレート作品といなった『La Caccia(ラ・カチャ)』。

 

擬声や楽器を動物や鳥の鳴き声を真似て演奏、まるで森の中にいるように配した驚愕の作品である。沈黙の扱い方もうまい。

本作では、マルケッティのテーマであった「ランダムな構成と沈黙の使用に関する研究」の結果を垣間見ることができる。
推測するにだが、音楽(従来のリズムがある音)と音楽でない部分(不規則でリズムがない音)、更に無音を考察することによって音楽全般を捉え方を変えていると思われる。

(リズムの)有ることと無いこと(=音楽)、更にリズムが有るのでもないし無いのでもない(=無音)を総合的に捉えるさまが、リズムの有無や沈黙の全てに調和を与え、リズム、不規則な音、無音からそれぞれの良さを引き出しているところが素晴らしい。

マルケッティのアヴァンギャルド精神をにじませつつ、ハイレベルかつストレンジな音響を構築したまさに傑作と言うに相応しい名盤。(褒めすぎか。笑)

ちなみにマルケッティは、上述したジョン・ケージに出会うまでは、マルケッティ自身の音楽活動を本気で取り組むものとは思えなかった。と言っている。

いろんな人や出来事に触れ、自らの可能性を切り開いていく彼の姿にはやはり賞賛の声をあげざるを得ない。(絶対に褒めすぎ。笑)